この記事では、Proxmox VEのインストールメディア作成から、インストール後の必須初期設定までを画像付きで解説します。 特に後半で紹介する「Post Install Script」を使うと、面倒な設定が数秒で終わるので必見です。
Step 1: インストールメディアの作成
まずは公式サイトからProxmox VEのISOイメージをダウンロードし、Rufusを使ってUSBメモリに書き込みます。最新は9.1(2025年11月現在)

1. Rufusを起動し、ダウンロードしたISOを選択します。

2. 書き込みを開始すると「ISOイメージモードかDDモードか」を聞かれることがありますが、推奨(ISOモード)で進めてOKです。もし起動しない場合はDDモードを試してください。

3. データ消去の警告が出るのでOKを押して書き込み開始。

Step 2: Proxmox VEのインストール
作成したUSBメモリをサーバー(ミニPC)に挿して起動します(BIOS/UEFIでブート順序の変更をお忘れなく)。
インストーラーが起動するとGUIウィザードが表示されます。基本的には以下の項目を設定していくだけです。
- Target Harddisk: インストール先のディスクを選択。
- Country / Timezone: Japan / Asia/Tokyo を選択。
- Password / Email: rootユーザーのパスワードと通知用メールアドレス。
- Network Configuration: IPアドレス、ホスト名、DNSなどを固定IPで設定。
注意点:ストレージ構成 デフォルトではローカルディスクはLVM-Thin(シンプロビジョニング)で構成されます。もしCephなどの分散ストレージを後で構築したい場合は、OS領域とは別にSSDを増設しておくのがベストです。
インストール完了後のストレージ状態はこんな感じです。NVMeにインストールされ、最大容量が確保されています。

Step 3: 初期設定を「魔法のスクリプト」で自動化する
インストールが完了し、https://[IPアドレス]:8006/ にアクセスすると管理画面に入れます。 しかし、ログインするたびに「有効なサブスクリプションがありません(有料版を買え)」という警告が出たり、アップデートリポジトリが有料版の設定になっていてエラーが出たりします。
これらを一つひとつ手動で直すのは面倒…。そこで使うのが、有志が開発している「Proxmox VE Helper-Scripts」です。

実行手順
ESXiと違って、ProxmoxはWeb画面にシェル(コンソール)が統合されていて非常に便利です。左側のツリーからノードを選び、「Shell」をクリックします。

上記のHelper-Scriptsサイトにあるコマンド(bash -c ... から始まるもの)をコピーし、このシェルに貼り付けてEnterを押すだけです。

スクリプトの選択肢・完全解説
コマンドを実行すると、対話形式でいくつか質問されます。基本的には推奨設定でOKですが、意味を理解して選択しましょう。(2025/11/25時点)
- Correct Proxmox VE Sources? (ソースリスト修正)
- [Yes] 推奨: アップデート参照先を正しく修正します。必須。
- Disable Enterprise Repository? (エンタープライズリポジトリ無効化)
- [Yes] 推奨: 無料版を使うなら、アクセスできない有料リポジトリは無効化すべきです。
- Enable No-Subscription Repository? (無料リポジトリ有効化)
- [Yes] 推奨: これを有効にしないとアップデートが降ってきません。
- Correct Ceph Package Repositories? (Cephリポジトリ修正)
- [Yes] 推奨: Cephを使わない場合でも設定しておいて損はありません。
- Add (Disabled) PVE Test Repository? (テストリポジトリ追加)
- [No] 推奨: 開発版です。安定運用したいなら入れないこと。
- Disable “No-Subscription” Nag? (サブスク警告の無効化)
- [Yes] 推奨: ログイン時のあの邪魔なポップアップを消してくれます。精神衛生上必須。
- Disable High Availability? (HA機能の無効化)
- [Yes] (シングル構成の場合): サーバー1台で動かすならHA(高可用性)は不要です。無効化してリソースを節約しましょう。
- [No] (クラスタ構成の場合): 複数台でクラスタを組む予定なら残しておきます。
- Update Proxmox VE now? (今すぐアップデート)
- [Yes] 推奨: 最後にシステム全体を最新化します。
- Reboot Proxmox VE? (再起動)
- [Yes]: カーネル更新などを適用するため再起動します。
その他のおすすめスクリプト
Helper-Scriptsには、初期設定以外にも便利なツールがたくさんあります。
- PVE Kernel Clean: 古いカーネルを削除してディスク掃除。
- PVE LXC Updater: 全コンテナを一括アップデート。
- Proxmox Backup Server (PBS): コンテナとして軽量なバックアップサーバーを構築。
まずは「Post Install」スクリプトで環境を整え、必要に応じてこれらのツールを追加していくのが良いでしょう。
環境が整ったら、次はいよいよ既存のVMware VMの移行作業に入ります!(次回記事へ続く)
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